長年にわたり、長野県を中心に、景観作物として愛用されてきた「高嶺ルビー」は、タカノ株式会社と信州大学名誉教授の氏原 暉男(うじはらあきお)氏が共同で開発した、珍しい赤花のソバの品種です。(品種登録 第3347号)
地域によって栽培されているソバの品種は異なりますが、日本で栽培されているほとんどのソバが白い花を咲かせます。「高嶺ルビー」のように、赤い花を咲かせるソバは、日本では非常に珍しいといえます。
「高嶺ルビー」のルーツは、標高約4000mのヒマラヤの麓に咲いていた、名も無き“赤い花のソバ”です。富士山の頂上よりも標高の高いこの地域では、太陽から強烈な紫外線が降り注ぎ、また、昼夜の寒暖の差も激しいため、ほとんどの作物はうまく育ちません。このような厳しい自然環境から身を守るために、「高嶺ルビー」のルーツとなった“赤い花のソバ”は、その花にアントシアニンという赤色のポリフェノールを蓄え身体を守っていました。その流れをくむ「高嶺ルビー」の花にも赤色のポリフェノールが多く含まれており、このポリフェノールこそが「高嶺ルビー」の花が赤い理由なのです。
※アントシアニンはポリフェノールの一種です。
ある日、タネを購入されたお客様の中から「もっと赤くはならないのか」というお声を頂きました。私たちは、そのお客様の声にお応えすべく、品種改良を行うことにしたのです。品種改良は、長期にわたりました。他のソバ品種と交配しないように、一部の隔離圃場で、極秘の研究が進められたのです。
その努力の結果、年々少しずつ、その赤色は、濃さを増していきました。そしてついに、2011年に、高嶺ルビーの進化した品種が認められ「高嶺ルビー2011」が誕生したのです。
1970年代後半のことでした。
先生はヒマラヤの高山に珍しい赤い花を咲かせるソバがあることを聞き、
その地を訪れようと決心しました。
そこは標高4000m近いヒマラヤ山脈の麓。
強い紫外線がふりそそぐその土地は、
とても作物が育ちそうな環境ではありません。
しかしそこにあったのは、目をみはるような一面の赤そば畑。
荒々しい山肌に突然現れた鮮やかな〝赤〝は絶句するような美しさでした。
それから十数年後、先生のもとへタカノから1 人の青年が派遣されました。
当時としては珍しい、大学と企業の共同研究を行うためでした。
研究テーマは、地域に役立つソバの品種を作ること。
先生は、青年とともに再びヒマラヤを訪れることにしました。
あの美しい赤ソバを、日本でも栽培できる品種にしようと考えたからです。
ところが、ヒマラヤから持ち帰ったその種は、
日本では赤い花を咲かせませんでした。
気候風土の違いがその大きな原因でした。
先生と青年の、気の遠くなるような研究のはじまりでした。
何年にも渡る研究の末、日本の風土に合う、赤い花のソバ品種
『高嶺ルビー』が誕生しました。
やがて信州の伊那谷では、毎年秋になると高嶺ルビーの赤い花が咲きほこり、
日本蜜蜂の飛び交う風景が見られるようになりました。
ある日、タネを購入されたお客様の中から「もっと赤くはならないのか」というお声を頂きました。
私たちは、そのお客様の声にお応えすべく、品種改良を行うことにしたのです。
品種改良は、長期にわたりました。他のソバ品種と交配しないように、一部の隔離圃場で、極秘の研究が進められたのです。
その努力の結果、年々少しずつ、その赤色は、濃さを増していきました。
そしてついに、2011年に、高嶺ルビーの進化した品種が認められ「高嶺ルビー2011」が誕生したのです。
また、弊社の展示場 兼 高嶺ルビー(鑑賞期間中)を見ることができる「ルビーの里」も運営しております。
お近くにお越しの際は是非ご来場下さい。
●花の色がピンクから赤になり、草丈は40~50cmで普通のそばに比べて低めとなります。
極晩生で開花は日本在来の白花そばに比べて遅くなります。
●土地を選ばず、基本的には無肥料・無灌水で自然のまま栽培できます。
●よく晴れた日に、乾燥した花壇や畑にタネをばらまき、2~5cmの土をかぶせてください。
床土は15cm位を耕うんしてください。(排水不良地では高うねにしてください)
●タネまき後に水を少なめに与え(プランターの場合)、それ以後、水やりや農薬散布の必要はほとんどありません。
●肥料はほとんど必要ありません。(もし与える場合は窒素分は徒長の原因となりますので避けてください)
●うね巾は40cm程度、株間は4~8cm程度が最適です。
●除草は必ず適宜に行ってください。
●そばは水に弱い植物です。土は乾燥気味が適しています。
●収穫、精選、製粉、製麺は、普通のそばと同じ方法で行えます。
●播種期の決定が最重要ポイントです。
●開花期に10℃~15℃の低温に合わせることで、より濃い赤色になります。
従って、花が赤くなる時期から1ヶ月~1ヶ月半が最適の播種期となります。
●そばは霜に弱い植物です。栽培地域の初霜の時期をお調べください。開花後、霜の降りるまでが観賞期間で、
収穫時期となります。
●赤色の発色の程度は、自然条件により微妙に異なります。大規模栽培をご希望の方は、
前年での試験栽培をおすすめします。
●一般の白花そばとの交雑を防ぐため、白花そばの栽培地での作付けは行わないでください。
●本種は長野県・タカノ株式会社により育成された品種です。
※この品種は、種苗法による種苗登録出願品種です。出願者の許可なしでは、増殖および販売はできません。